シンポジウム V.A / VERNACULAR リリース記念イベント
建築と音楽
~エレクトロニカ以降の転換期をこえて~



『土着性』から再考する”建築”と”音楽”への新たなパースペクティブ

インターネットを含む高度な情報ネットワークによって社会構造が大きく転換し、いままさに音楽の新しい在り方そのものが問われています。それは単に作品だけに留まらず、流通形態やメディア、さらには作家の在り方についてもより大きな枠組みで私たちは捉え直すべきなのかもしれません。

今回はそんな社会の新しい原理に対して新しい作家像を確立させる音楽家、建築家をお招きし、「Vernacular=土着性」という諸芸術分野を横断する共時性をもったテーマ について、来場者と共に再考するシンポジウムを行います。

グローバル・モダニズムによる地域性や民族性を超えた普遍的なデザイン(ユニバーサルデザイン) によって切り捨てられてきた「土着性」をキーワードに、時間・空間という共通のメディアを媒介とする「音楽」と「建築」の両方向から捉え直してみることで、これからの新しい音楽と建築の関係性を探ります。


<パネリスト>
藤村 龍至  【建築】
蓮沼 執太  【音楽/アート】
小野寺 唯  【音楽/建築音響】
内田 学   【音楽/アート】

日時:8月3日(土) 16:00~18:30
定員:35名
会場:美学校両国教室
料金:予約¥2,500 当日¥3,000 学割¥2,300

☆関連イベント『VISION ~創作プロセスとリサーチプログラムの狭間~』にお越し頂いた方は、学割価格でご案内致します。

主催:Whereabouts Records、CRITICAL PATH、枯山水サラウンディング、美学校

※予約が定員に達したため、現在キャンセル待ちとなります


Program

「Vernacularr=土着性」というコンセプトをキーワードに、4部構成で掘り下げていきます。

■第一部:小野寺唯 presents
『Vernacular=土着性とは?』

「土着性」をテーマに制作されたコンピレーションアルバム「Vernacular」を題材に、参加アーティストの紹介を交えながら、コンセプトを解説します。

■第二部:蓮沼執太 &内田学 presents
『電子音楽/サウンドアートのパースペクティブ』

電子音楽/サウンドアートの過去から現在までの一連の動向を、音楽家の蓮沼執太、内田 学 a.k.a. why sheep?と共に包括的に紹介します。

■第三部:藤村龍至 presents
『建築におけるVernacular』

建築分野における「Vernacular(土着性)」についての今日的なデザイン意義(=価値)や、過去の作品を紹介します。

■第四部:クロストーク

出演者全員と来場者も含めたクロストーク(質疑応答など)を行います。

パネリストプロフィール


藤村 龍至

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photo:Kenshu Shintsubo

東洋大学理工学部建築学科専任講師/藤村龍至建築設計事務所代表。
1976年東京生まれ。2008年東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。2005年より藤村龍至建築設計事務所主宰。2010年より東洋大学専任講師。建築家として住宅、集合住宅、オフィスビルなどの設計を手がけるほか、現代の建築、都市に関わる理論を発表し、建築系、思想系の専門誌などに寄稿を行う。建築や都市に関わるテーマでフリーペーパーや書籍、シンポジウム、トークイベント、ウェブマガジンの企画・制作・編集、展覧会のキュレーション等、メディア関連のプロジェクトを数多く手がける。近年は、公共施設の老朽化と財政問題を背景とした住民参加型のシティマネジメントや、日本列島の将来像の提言など、広く社会に開かれたプロジェクトも展開している。2007年よりフリーペーパー『ROUNDABOUT JOURNAL』企画・制作・発行。2010年よりウェブマガジン『ART and ARCHITECTURE REVIEW』企画・制作。主な建築作品に「BUILDING K」(2008)「東京郊外の家」(2009)「倉庫の家」(2011)「小屋の家」(2011)。主な編著書に『1995年以後』(2009)『アーキテクト2.0』(2011)『3・11後の建築と社会デザイン』(2011)『コミュニケーションのアーキテクチャを設計する』(2012)。主なキュレーションに「超都市からの建築家たち」(hiromiyoshii, 2010)「CITY2.0」(EYE OF GYRE, 2010)「超群島 -ライト・オブ・サイレンス」(青森県立美術館, 2012)

蓮沼 執太

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1983年東京都生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科研究生。HEADZをベースに音楽作品を多数発表。オリジナルアルバムに『OK Bamboo』(2007)、『POP OOGA』(2008)など。八木良太、シアタープロダクツ、古川日出男、小金沢健人、快快、ほうほう堂との共同制作をはじめ、「ウインドアンドウインドウズ」「音楽からとんでみる」「蓮沼執太フィル/チーム」を組織する。蓮沼執太フィルを組織して国内外でのコンサート公演、コミッションワーク、他ジャンルとのコラボレーションを多数制作する。音楽祭『ミュージック・トゥデイ』を企画・構成をする。主な個展に『音楽からとんでみる3|have a go at flying from music part 3』(2011年 ブルームバーグ・パヴィリオン|東京都現代美術館)、『音的|soundlike』(2013年 アサヒ・アートスクエア)。舞台作品に『TIME』(2012年 神奈川芸術劇場、国立新美術館)、音楽アルバムに4枚組CD『CC OO|シーシーウー』(2012年 HEADZ / UNKNOWNMIX)。
これまでに、SOMMER SONIC、HARAJUKU PERFORMANCE+、SonarSound Tokyo、Sence of Wonder、SPECTACLE in the Farm、MOSAIC MUSIC FESTIVALなど、国内外の大型フェスティヴァルやイヴェントの出演を果たし、ユニクロ上海店オープニング音楽、SONY製品広告音楽など担当する、など多様な音楽機能を探求する。

内田 学 a.k.a. Why Sheep? 

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ミュージシャン/サウンドスケープ・プロデューサー。‘96年にWhy Sheep?名義で1stアルバムをリリースし、国内外のメディアで大きな反響を呼ぶ。その後、世界各国を放浪後‘03年に2ndアルバム『The Myth And i』が日、欧、米と世界発売される。サマーソニック等、国内外での公演を精力的にこなす一方、数々のリミックスや映画のサントラ、プロデュース等を手がける。2007年には、音を禅の作庭術になぞらえたサウンド・アートプロジェクト“枯山水サラウンディング”を立ち上げクリエイティヴ・ディレクターを務める。野生の鈴虫の鳴き声をリアルタイムで音響プロセッシングし、生の音楽家たちと即興ジャムをする「蟲聴きの会」シリーズ等のイベントの開催や数々の旧フランス大使館で開催されたNo Man’s Land展、や様々なパブリック・アート・プロジェクト等でサウンド・インスタレーションを発表する。
2011年3月11日以降、トークイベント”Rm311″を開始する等、アーティストとして音楽活動の領域を超えた復興へのアプローチも行っている。2013年、集大成ともいえる3rdアルバム「Real Times」をリリース予定。
why sheep

枯山水

小野寺 唯

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音楽家/建築音響デザイナー。音楽と建築を学び建築音響設計に従事した後、CRITICAL PARHを主宰して「空間/環境から捉えた音の機能と関係性」をコンセプトに音と音がつくりだす空間を含めたサウンド/スペース・デザインを手掛ける。アメリカのフィールド・レコーディング/電子音楽レーベルand/OARよりソロ・アルバム”suisei”のリリースを皮切りに国内外のレーベルより作品を発表し、イギリス『Wire』誌やドイツ『DE:BUG』誌など海外メディアを通じて広く紹介され国際的な評価を受ける。

ポルトガルのThe Beautiful Schizophonic、アメリカのCelerとのコラボレーション・アルバムや”Pleq/Good Night Two (PROGRESSIVE FOrM)”、”Geskia!/323 Sayonara Memories (Home Normal)”など国内外のコンピレーション、リミックス・ワークも多数手掛ける。

NTT InterCommunication Center、岩手県立美術館、川越市立美術館など様々なシーンでライブ・パフォーマンスを展開しており、これまでにBrandt Brauer Frick、Machinefabriek、Yves De Meyの来日公演や、Ametsub、aus、Kyo Ichinose、Carl Stone、christophe charles (Mille Plateaux)、Toshimaru Nakamura (Erstwhile)、Ken Ikeda (Touch)、 ILLUHA、minamo、FourColor、sawako、Chihei Hatakeyama、PORTRAL a.k.a. INNER SCIENCE、Gonno、Kez YM (YORE records)らと共演。2013年にはスペイン、バルセロナのエレクトロニック・ミュージック/ビジュアル・アートのフェスティバル「störung festival」にMoritz von Oswald、Mika Vainio(raster-noton)、Pjusk(12k)、Francisco López(sub rosa)等と共に出演を果たす。

その他、これまでに数多くのCM/映像音楽制作やプロダクトのUIサウンドデザイン、コンテンポラリー・ダンスや舞踏の為の作曲、建築音響設計などその活動は多岐に渡る。
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関連企画:シンポジウム『VISION ~創作プロセスとリサーチプログラムの狭間~』